一般質問

こども基本法について

Q

国連の「子ども権利条約」の理念に基づいた「こども基本法」が令和4年6月成立、令和5年4月に施行されました。

1. 差別の禁止 

2.子どもの最善の利益 

3.生命、生存及び発達に対する権利 

4.子どもの意見の尊重

が盛り込まれています。

こども大綱が示され、県では計画を策定する準備に入っていると聞いています。「県こども計画」に関し、子どもから意見を聴く仕組みについてどのようなことを予定しているのかお伺いします。

A

計画の策定に当たっては、子育て、結婚の意識調査や子どもの生活実態調査のほかにも、子どもや若者、子育て当事者の皆さんからの意見聴取を取り入れていく。

子どもに関係する団体の皆さんからのヒアリング、子どもや若者のモニターへのアンケート調査などできる限り広く直接子どもの声を聴くように取り組んでいく。

審議会の方にもこども、若者、子育て当事者それぞれに委嘱をお願いする。

今後、県としても子どもに関する施策を策定する際にはその都度子どもからの意見を聴いて仕組み作りを作っていくよう努力する。

「こども基本法」には教育を受ける権利が等しく与えられるとあるが、学ぶ場所によって子どもたちへの支援に差があるのは「こども基本法」の理念に反すると考えます。

「教育を受ける権利について」知事の見解をお聞きします。

A

教育基本法の精神にのっとり、全ての子どもが教育を受ける権利を等しく与えられるべきであるというのは当然の事であると考えている。

来年度予算において新たにフリースクール等に通う不登校児童生徒の調査費用を提案している。

今後とも子どもを取り巻く状況や学びの多様性に関する制度やあるいは社会通念の変化に応じて、教育委員会が柔軟に教育施策を検討し対応していくよう共に考えていきたい。

Q

こども基本法をふまえた「インクルーシブ教育」についての見解と今後の取り組みについてお聞きします。

A

障がいのある子もない子も個別最適な学びが用意され、自らの意思で選択できることが大切だ。障害のある子が就学先を検討する上で、各市町村において必要な情報提供や相談を充実させ、合理的配慮による安心な学びなど、子どもとその保護者が主体的かつ柔軟に選択できるよう取り組んでいる。

義務教育では、通常学級での特別支援、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校がある。連続性のある学びが充実するよう教員の指導力の向上に努めている。

また、子どもたちや地域の人たちと触れ合うともに活動する「交流および共同学習」を推進している。

Q

子どもの意見表明・参加について学校ではどのような取り組みが行われているのか、教育長にお聞きします。

A

小中学校では、運動会などの内容について意見を出し合い、運営にも積極的に関わる機会を設けている。

地域住民の方々と防災活動等で考えを出し合い、よりよいものになるよう取り組んでいる。

高等学校では学校生活を送る上での課題を生徒総会で意見を出し合い、解決を図ることが行われている。制服の導入や学校の環境整備、校則一部改正等が実現している。

包括的性教育の推進について

Q

「性に関する指導の手引き」の学校現場での活用状況及び指導事例を充実させる手立てについて教育長にお聞きします。

教育委員会のホームページにも掲載し様々な教科で活用されているとともに学校行事の前など機会に応じた指導の際にも参考とされている。

性に関する指導の年間計画の見直しや校内研修などにも活用されている。

事例集については研修会で他校の実践を共有するとともに学校で取り組んだ性に関する指導事例についてホームページを随時更新し周知していきます。

Q

包括的性教育を実践しやすい学校現場の環境の醸成が必要だと考えるが、教育長にお伺いする。

A

「性教育に関する指導の手引き」は包括的性教育の視点を踏まえたものになっている。

学校関係者による研修会では手引きを活用し、「性加害や性被害」「性の多様性」をテーマにしたほか、性に関する指導について理解を深めた。

保護者の認識を高めるために性の多様性をテーマにした人権学習啓発用パンフレットを作成しているところだ。来年度は「生命の安全教育推進事業」を通じて命の尊さ、自分や相手を尊重すること、性暴力の加害者、傍観者にならないことなどに焦点を当てた授業を実践校で行い、指導モデルを作成し、周知していく予定です。

児童生徒が直面する性に関する諸課題に対して正しい知識を習得し、適切に意思決定や行動選択ができるよう力をつけられるよう取り組んでいく。

学校給食におけるジビエ食材の提供について

「学校給食での和歌山県産品利用拡大戦略アクションプログラム」を策定し、5年間において取り組むべき戦略をまとめています。

令和8年度までの予定となっていますが、年度途中に関わらず、ジビエの学校給食への提供が廃止されました。

施策を廃止する理由をお聞かせください。

A

2017年から提供してきたジビエだが、市町村や学校で独自にジビエソーセージやコロッケ等を給食に取り入れる取り組みも始まり、利用拡大に一定の成果が得られた。

限りある予算の中で新たな施策を考えていくうえで学校給食へのジビエ食材の提供については来年度から廃止することとし、アクションプログラムも見直す予定だ。

今後は事業の改廃にあたって、影響を及ぼす関係者には、できる限り事前に説明を行うなど誠意ある対応を心がけていく。

また、準備を進めていただいている関係者の皆さんに事前に連絡もせず、突然進めるやり方についてどう思われているのかお聞きします。

給食費無料化との関係もあり、ジビエ食材を無料で年一回提供するという施策を見直した。10月から学校給食費は無償化になるので、小中学校には年一回、これまでやっていただいていたジビエの給食を是非続けて下さいとお願いしていく。

少なくとも無料で食材を提供することはしないが、引き続き同じような量は学校給食で使っていただくよう誠心誠意努力していく。

さらに出前授業や和歌山ジビエフェスタ等で県民にジビエの活用促進を引き続きすすめていく。特に今、首都圏で相当広報宣伝をしているので、今まで以上に和歌山のジビエの食材が売れるよう努力していく。

要望

組織の新体制が提案されました。

私は「こどもまんなか社会の実現」「人権尊重の社会づくりのための体制強化」という点で共感をします。

しかし、共生社会推進部の子ども家庭局に多様な生き方支援課が含まれることには違和感があります。多様な生き方支援課は子ども家庭局と同じ、多様な生き方支援局とすべきではなかったかと思います。

共生社会推進部の中に人権局が位置付けられていますが、これまでは企画部のなかで県行政の全般にわたって統括するという位置づけだったと思いますが、それが一部局になったのでは県庁全体で人権行政を進めていくのに弊害がでないか心配しています。

新体制になり、人権行政がさらに進めていけるよう期待しています。

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