一般質問

Q 部落差別解消への取り組みについて

知事におうがいします。地方自治法上、独立した第三者機関を設置できないまでも、部落差別事件が発生した場合、被害者救済を図るため、外部の専門家で組織する機関を設置し、差別を行ったものへの対応を含め意見を聴く仕組みを作り、条例に規定すべきではないでしょうか。

A 知事

県では、「和歌山県部落差別の解消の推進にかかる条例」を2020年に施行し、説示・促し・勧告を行っている。モニタリングを実施し誹謗中傷等の書き込みを確認したときは、プロバイダに対して削除要請を行っているが十分ではない。そのため、被害者救済等に関する法制度を早期に整備するよう国に要望している。

藤本議員ご提案の部落差別事件が発生した場合の意見を聴く機関の設置については、仕組みとして現在も執行機関の付属機関として存在している。現状は部落差別事件が発生した場合は、職員が事実確認、その後の説示・促しを迅速に行い、その中で疑義が生じた場合に意見を聴いている。現在の仕組みも踏まえながら、どういうことができるのか検討していきたい。引き続き部落差別の解消に向けて取り組んでいく。

Q 学校図書館の整備について

文科省の図書館整備のための第6次計画は、令和4年度からの5年間ですべての小中学校等において学校図書館図書標準の達成を目指すとともに、図書の更新、新聞の複数紙配備及び学校司書の配置拡充を図るとしています。

同計画に基づく地方財政措置は単年度総額480億円、5か年総額2400億円、前計画から50億円の増加となりました。

読書が子どもたちの学力にどのような影響を与えているのか。ベネッセのまとめでは読書が教科の学力の伸びと関連している可能性が示されました。子どもたちの読書した体験は、多様な資質、能力を高めることにつながると考えられます。

このように学校図書館の果たす役割は大変大きいです。そこで、学校図書館整備の県下の状況をお伺いします。

A 知事

学校図書館標準の達成状況は、小学校57,6%、中学校45.7%。新聞の配置状況は、小学校61.9%、中学校47.4%。学校司書の配置状況は、小学校61.9%、中学校64.7%となっており、全国平均より低い状況です。

県としては、市町村にむけ、新聞の複数配備や学校司書の配置など積極的な働きかけを行ってきた。今年度は26市町に83名の配置となっている。まだ十分な状況ではない。

今後も第6次「学校図書館整備等5か年計画」を着実に推進するために学校図書館の充実に公立図書館との連携が不可欠であることや、そのための学校司書の配置が欠かせないことなど、学校図書館の環境整備にこれまで以上に市町村への指導・助言に努める。

Q 水田農業の振興について

農業の高齢化と後継者不足が大きな課題となっています。農業、特に主食である水稲農家の現状が厳しいと感じます。

一例として、純利益が少ないといわれる中で、トラクターやコンバイン等高額な農業機械の購入もままならない現状で、県として農業振興を図るのであれば設備投資にかかる費用の一部を補助するなど、ある種の支援策が必要だと思います。

農業を取り巻く状況は大変厳しいです。県として今後、米作りへの支援についてどのような取り組みを進めていくのか、農林水産部長にお伺いします。

A 知事

米作りの支援として、ライスセンターの整備、水田等の保全管理を支援する直接支払制度や米の収入補填対策など、国施策の活用に加え、国交付金を活用した県独自の肥料高騰対策として化学肥料の使用量を低減する稲作機械等の導入を補助しているところです。

温暖化による品質低下を対応するため高温に強く品質の良い奨励品種を選定し普及を図っている。今後も米作りを行う生産者が安定して営農が続けられるよう様々な施策を講じ、複合経営を引き続き推進していく。

Q 風力発電について

知事は、印南・日高川の風力発電事業に対して「規模の大きな風力発電事業には著しく適さない場所と考えられる」との方法書を経済産業大臣に提出しました。

知事意見によると、「計画地や周辺は、国や県の指定天然記念物などの貴重な動物が生息する可能性があること、近くは県の自然環境保全地域に指定していること、住民の日常生活や歴史の持続性に非常に重要な場所である事、さらに尾根筋の幅が狭く、谷筋への傾斜が急であること、山地災害危険地区等が存在していることなどから「大型風力発電設備などの設置向けての土地の改変、移動は慎重に対応しても至難な地域」としています。そのうえで重大な環境影響を回避したり十分に低減できないときは計画の見直し、それでも改善できないときは「事業の廃止を検討すること」とあります。

私もこの地域の現地調査に同行し、現地を案内していただきました。知事意見に全く同感であります。道路に面したのり面の多くがコンクリートで覆われており、その地層がもろく崩れやすいことを表していますし、地表がむき出しの部分では土がぽろぽろと剥がれ落ちていました。

こんなところに巨大な風車が建設されることに誰もが不安を感じるのは当たり前だと感じました。風力発電は、経済産業省が許認可の権限を持っていますが、必ず、知事意見は添付されます。そこで、配慮手続き前に県の姿勢が明確に分かるようにガイドラインを作成すべきだと提言しますが、県としての見解をお伺いします。

A 知事

風力発電設備をはじめ、再生可能エネルギーの導入にあたっては、地域の環境との調和が必要であり、地域の自然や住民の生活に重大な影響が生じるのであれば計画の見直しを求める必要がある。

県では環境影響評価等に基づき、環境保全の見地から知事意見を述べるとともに関係法令により厳正に審査している。

現行に手続きに加え、議員提案のガイドラインを作成することについては環境影響評価を円滑に進めるという観点から、岩手県での運用状況や実効性も勘案しつつ本県における必要性について研究していく。

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