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■10月18日―26日/カナダ・カルガリー視察概要

カルガリーまでのフライトは、サンフランシスコでの乗り継ぎも含め、およそ18時間。夜の10時ようやくカルガリー空港に到着しました。

空港では通訳と案内をかねた直人君、コーディネーターのキャリーさんが迎えてくれました。さすが緯度が高いだけあって温度もかなり低いと感じられました。

カルガリー市は人口およそ110万人、カナダの中では3番目に大きな市であります。ダウンタウンにはビジネス街が広がり、ダウンタウンを中心に郊外に住宅が広がっています。
カナダは州によって言語、教育制度、税金と全て違っている国でありますが、豊かな地下資源に恵まれ経済的には活気に満ちていました。

翌日コーディネーターのキャリーさんと打ち合わせを行い、今回の視察の主な施設やその概要を説明していただきました。
《DVのためのシェルターと対応》

最初に調査したYWCA (Young Women's Christian Association)は、教育関係から福祉関係にいたるまで色々な施設を運営している組織です。
今回はYWCAが設置しているDVのための2つのシェルターを視察しました。一つのシェルターは公になっていますが、もう一箇所は場所が分からないようにしていました。

シェルターはDVに遭い、着の身着のまま逃げてくる親子を一時的に安全にかくまい、その先の生活設計ができるよう、支援をおこなうというのが、主な目的であります。

シェルターは一時避難ということで、3週間を目処にしていると言うことでした。その後は長期に生活のできる施設もあり、DV被害者が安心して生活できるよう、手厚い支援がされていると感じました。また、一緒に逃げてくる子どもにも支援がされていて、遊び場の確保、おもちゃの用意等々、暖かい受け入れの様子が伝わってきました。
次に調査したHome Frontは、そういったDVの対応をネットワークで結び、シェルターから長期の居住へ、また、子どもへの教育の保障、仕事の問題、裁判の手続き、カウンセリング等々をコーディネートしています。Home Frontは20人以上専門員で構成された施設でありますが、24時間対応で被害者の支援を行っていました。こういった組織は州から直接予算をいただき、運営をしていると言うことでしたが、一般からも多くの募金が寄せられるということでした。

また、YWCAで日本の私たちと意見交換をしましたが、それはその後募金を集める一つの手段だということでした。

ここでの大きな役割をはたしているのは、警察であります。警察にはDV専門の窓口があり、迅速に対応できるようになっています。また、裁判所にもDV専門の裁判所があり、連携しながら対処しているとのことでした。

日本では、行政が直接支援を行うといった仕組みになっていますが、カナダでは州政府がYWCAやHome Frontのように活動しているNGOやNPOに予算をつけ活動を支える仕組みになっていました。

NGOやNPOの果たす役割が大変大きく、行政の下請けのようになっている日本の現状との違いを感じました。日本のNPO活動も行政の下請けでない、パートナーとしての地位が必要だと感じました。
《手厚い子ども支援》

教育の問題についても大変考えさせられました。自閉症のお子さんのいるご家庭を訪問しましたが、障がいのあるお子さんには、ソーシャルワーカーが必ず対応します。そのご家庭の子どもは自閉症でありますが、保護者の対応が子どものために不適切だと判断されると保護者の保護能力が回復するまで子どもを施設で保護し、保護者とは分離します。その後、保護者へのカウンセリングと親子統合のプログラムにそって、支援がされていきます。

訪問したご家庭も一時は分離されていたようですが、私たちが訪問にしたときは子どもたちも家庭の中で元気に過ごしていました。

また、障がいを持つ子どもは、日本のように特別支援学校に通うということではなく、地元の公立学校に通学するのがスタンダードでした。公立学校では、障がいを持つ児童生徒に一人ずつ教師がつくということで、クラスの中には担任の教師と障がい担当の教師が入っていると言うことでした。子どもの権利が本当にしっかり守られており、子どもへの厚く暖かい支援に驚きました。
《カルガリー市の行政関係》

その後、カルガリー市役所ではカナダの歴史も含め、行政関係について説明していただきました。地方分権が進んでおり、カルガリー市は市民のライフラインに関わる行政を担当しており、州政府は教育・福祉・病院などの社会サービスを担当、国家は軍事、移民、刑務所、裁判所、国境管理等々を担当していると言うことでした。

議会はカルガリーでは14人の市会議員で構成されており、全員無所属であるが、州議会は82名でそれぞれの党に所属していると説明いただきました。任期は3年ということでした。
《視察を終えて》

今回、カナダ・カルガリー市の視察を通して、暴力に合ったときの被害者の支援、DV被害者とその子ども、そして大人からの虐待にあった子どもと、それぞれに厚い支援のシステムがあるということが分かりました。予防システム、保護システム、カウンセリング等々、の中でもカウンセリングの充実が大変進んでいると感じました。

また、それぞれの制度の中でも子どもの権利がしっかり守られていると思いました。

日本はカナダより20年遅れていると言われています。そうかもしれませんが、日本でもDV被害者や被虐待児を守るため、頑張って活動しているいくつものグループがあります。また、行政関係者の中にも一生懸命仕事をされながら、制度の不備のために苦労されている方もおられます。

私たち議員は、そういった現場の皆さんの支援ができるよう、先進的な取組を参考に、より良い制度や仕組みを作っていくため、仕事をさせていただきたいと強く思います。

そして、この視察を有意義で実りあるものにするためにも、精一杯頑張ろうと誓いました。
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